フレイルになったかも…」と感じた方が即実践すべき【5つの鉄則】をご紹介

「最近、ちょっとした段差でつまずく」「以前より近所への散歩が億劫になった…」と感じるシニアの方、そのご家族へ。

この心身の虚弱な状態は「フレイル」と呼ばれます。放っておくと、転倒や寝たきりなどを招き、要介護状態に進行する危険性があります。

しかし、これは単なる老化ではなく、早期発見と適切な対策で健康な状態に戻ることが可能であると、厚生労働省などの専門機関の研究でわかっています。
出典:厚生労働省「そのカギを握るのはフレイル予防だ」
フレイルは、サルコペニア(筋肉の衰え)やオーラルフレイル(口の衰え)など、様々な機能低下を含む、より幅広い概念です。 この記事では、「フレイルになったかも…」と感じた方が即実践すべき【5つの鉄則】を、政府機関や公的機関の信頼性の高い情報に基づき、最も分かりやすい言葉と手順で解説します。
あなたの不安を解消し、「寝たきり」を回避して、いつまでも溌剌と元気に過ごすための具体的な対策をご紹介します。 この対策を実践し、負のスパイラルを断ち切り、健康で活動的な老後を送りましょう。
【このブログでわかること(疑問・解決リスト)】

- フレイルの状態を「東京大学高齢社会総合研究機構」が考案した簡単なチェック法で知ることができます。
- フレイルを加速させる「負のスパイラル」の図解と、悪循環を断ち切る具体的な対策を知ることができます。
- 要介護を回避するために重要な高タンパク質の具体的な献立の組み合わせ方と量(手のひらサイズ目安)がわかります。
- 安全な筋トレの手順と、膝や腰が痛い方向けの「座ってできる運動」がわかります。
- お住まいの地域で無料で受けられる公的支援サービスの具体的な相談窓口がわかります。
フレイルは「早期行動」で必ず健康な状態に戻せる

フレイルは適切な介入によって回復可能な状態です。「もう年だから仕方ない」と諦めるのではなく、前向きな一歩を踏み出すための具体的な道筋を知ることが最高の解決策です。
フレイルの兆候を感じたらすぐに、これから紹介する5つの鉄則を実行してください。これが、要介護状態への進行、そして寝たきりを食い止めるための最も重要な第一歩です。
フレイルは負のスパイラルであり「対処法」がある
なぜ、早期の行動が必要なのでしょうか。それは、フレイルが自己増悪的な「負のスパイラル(悪循環)」によって進行してしまうからです。
フレイルを加速させる「負のスパイラル」の進行(図解イメージ)

- 第1段階年をとることや、慢性病によって筋肉量・筋力の減少する。
- 第2段階基礎代謝(体が生きるために使うエネルギー)が低下する。
- 第3段階食欲がなく、食べなくなる。
- 第4段階低栄養で筋肉量・筋力が減少する。
ここから、再び、第1段階にもどりこれを繰り返す。
この悪循環を断ち切るには、特に栄養(食事)、運動、そして精神的な活力を維持する社会参加という3つの要素から、包括的に対策を始めることが求められます。
「筋肉量・筋力の減少」については、以下の記事も参考にしてください。



フレイルになったら「即実践すべき5つの鉄則」

フレイルの状態から健康を取り戻すために、直ちに実行すべき5つの行動を、具体的な対策として提案します。
| 鉄則 | 内容 | 即実行すべきこと |
| 1 | 早期発見 | 簡易チェックと数値で自分の状態を知る |
| 2 | 栄養強化 | 低栄養を防ぐ高タンパク食の工夫と献立 |
| 3 | 運動習慣 | 安全な筋トレと食べるための口腔ケア |
| 4 | 社会参加 | 孤独を防ぎ、心の元気を維持する |
| 5 | 公的支援 | 自治体のサービスを賢く活用する |
出典: 公益社団法人 東京都医師会

鉄則1:【早期発見】フレイルの兆候を簡易チェックと数値で逃さない
フレイルの初期症状を見逃さないことが、早期介入の第一歩です。まずは東京大学などが考案した簡易チェックで、ご自身の現在の状態を客観的に把握しましょう。
✅ 指輪っかテスト&イレブンチェック:
- 指輪っかテスト:親指と人差し指で輪を作り、ふくらはぎの最も太い部分を囲んで「隙間ができる」場合、筋肉量が低下している危険性があります。
- イレブンチェック:11項目の質問で「いいえ」が6つ以上あれば、フレイルのリスクが高い状態です。
「簡易チェック」は、指で輪っかをつくり、ふくらはぎを囲んでチェックする「指輪っかテスト」(図2)と、身体的、精神的、社会的の3つの面(栄養、歯科口腔、運動、社会性、うつ、等)を評価できる11の質問からなる「イレブンチェック」(図3)で構成されています。
「指輪っかテスト」
以下の表で、質問に対する答えとして、表のように「はい」、「いいえ」の該当する方に〇を付けます。
| 質問 番号 | 質 問 | は い | いいえ |
|---|---|---|---|
| 1 | ほぼ同じ年齢の同性と比較して健康に気を付けた食事を心がけていますか。 | 〇 | |
| 2 | 野菜料理と主菜(お肉またはお魚)を両方とも毎日2回以上は食べていますか。 | 〇 | |
| 3 | 「さきいか」、「たくあん」くらいの固さの食品を普通に噛み切れますか。 | 〇 | |
| 4 | お茶や汁物でむせることがありますか。 | 〇 | |
| 5 | 1回30分以上の汗をかく運動を週2日以上、1年以上実施していますか。 | 〇 | |
| 6 | 日常生活において歩行または同等の身体活動を1日1時間以上実施していますか。 | 〇 | |
| 7 | ほぼ同じ年齢の同性と比較して歩く速度が速いと思いますか。 | 〇 | |
| 8 | 昨年と比べて外出の回数が減っていますか。 | 〇 | |
| 9 | 1日に1回以上は、誰かと一緒に食事をしますか。 | 〇 | |
| 10 | 自分が活気に溢れていると思いますか。 | 〇 | |
| 11 | 何よりまず、物忘れが気になりますか。 | 〇 |
- 指輪っかテストで「隙間ができる」→ サルコペニアの危険度高い。
- イレブンチェックの質問
- 番号1から2「いいえ」が1つ以上 → 食習慣の認識度が低い。
- 番号3から12「いいえ」が1~5 →筋肉量の減少(サルコペニア)の可能性有り。
鉄則2:【栄養強化】高タンパク・高エネルギー摂取で低栄養を防ぐ

負のスパイラルを断ち切る上で、最も効果的な行動は栄養状態の改善です。特に筋肉の材料となるタンパク質を意識して摂取しましょう。
1. 1日のタンパク質摂取の目安は「手のひらサイズ」で覚えよう
筋肉維持のため、専門的には「体重1kgあたり1日1.2~1.5g程度」が推奨されますが、難しく考えなくて大丈夫です。
実践の目安:毎食、肉・魚・卵・大豆製品・乳製品を「あなたの手のひら(指を含まず)」に乗るくらいの量を目安に食べましょう。ご飯やパンよりも、おかず(タンパク質)から先に口にすることが大切です。
出典:協会けんぽ 岡山支部
| 食材(約10gのタンパク質) | 実践しやすい目安 |
| 卵 | Lサイズ 約1.5個 |
| 魚(鮭など) | 切り身 約80g (手のひらサイズ) |
| 肉(鶏むね肉など) | 約50g (手のひらサイズ) |
| 大豆製品 (豆腐など) | 1丁150g (手のひらサイズ) |
2. 食欲不振時でも摂れる具体的な献立の工夫
食が細い、食欲がないという方も、以下の工夫と献立例で必要な栄養を確保しましょう。
- 数回に分けて食べる:3食で食べきれない場合は、間食(おやつ)に牛乳、ヨーグルト、チーズなどを取り入れ、栄養補助食品(アミノ酸の「ロイシン」などを含むプロテインやゼリー)も賢く活用しましょう。
| 食事 | タンパク質を意識した簡単な組み合わせ例 |
| 朝食 | 卵かけご飯に納豆をプラス、またはパンと牛乳・ヨーグルト。 |
| 昼食 | 具沢山の豚汁(肉や豆腐入り)、魚の缶詰(サバ缶など)をパンに添える。 |
| 夕食 | 肉や魚の主菜(手のひらサイズ)を必ず食べる。食後にフルーツを。 |
鉄則3:【運動習慣】安全な筋力トレーニングと口腔ケアの実践
適切な運動は、筋力回復と食欲増進につながります。さらに、食べる機能(口腔機能)のケアも欠かせません。
1. 自宅でできる簡単スクワットの手順(安全な方法)
【⚠️注意】安全のため、必ず椅子の背もたれを使って行ってください。
- 準備:椅子に浅めに腰をかけ、手は前に置いた椅子の背もたれを両手で軽く持ち、体を安定させます。
- 姿勢:足を肩幅に開き、背筋を伸ばします。
- 動作:そのまま、ゆっくりと5秒かけて、立ち上がり、ゆっくり5秒かけて座る。
- 回数:無理のない範囲で10回を目安に繰り返す。
2. 膝や腰が痛い方向けの「座ってできる」運動
スクワットが難しい方は、以下の運動から始めましょう。
- 座って足踏み:椅子に深く座り、背筋を伸ばしたまま、左右交互に太ももをゆっくり上げます。腹筋と太ももの筋肉を使います。
- ふくらはぎの上げ下ろし:椅子に座った状態で、かかとをゆっくり上げ、つま先立ちの状態を数秒キープし、ゆっくり下ろします。「第2の心臓」と呼ばれるふくらはぎの筋肉を鍛えましょう。
3. オーラルフレイル対策:口腔機能の具体的なケア
オーラルフレイルとは、口のちょっとした衰え(滑舌の低下、ムセなど)を指します。これを放置すると、食事の摂取が困難になり、栄養状態の悪化に直結します。
- 口腔の体操(パタカラ体操):「パ」「タ」「カ」「ラ」をそれぞれ大きく、早く発音する練習をしましょう。これは、ムセや飲み込みの機能改善に役立ちます。
- ポイント:「パ」は食べこぼしを防ぐ唇の動き、「カ」は飲み込む際にノドの奥を閉じる動きを主に鍛えます。
- 唾液腺マッサージ:唾液腺を刺激することで唾液の分泌を促し、食べ物の飲み込みを助けます。耳下腺などを指で優しくマッサージしましょう。
鉄則4:【社会参加】社会的孤立を防ぎ、精神的な活力を維持する

フレイルは身体だけでなく、気分が優れない、孤独感が強いなどの精神的・社会的な側面も含まれます。
- 毎日誰かと会話を:1日に1回以上は、家族、友人、または地域の人と誰かと一緒に食事をすることや、会話をする機会を持ちましょう。
- 地域活動への参加:地域活動や趣味の集まりに参加することは、心の健康を維持し、生活への活力を取り戻すために非常に重要です。
鉄則5:【公的支援】自治体の「地域包括ケア」サービスを賢く活用する
フレイル対策を個人だけで続けるのは大変です。そこで頼るべきは、お住まいの自治体の支援プログラムです。
| 利用できる公的支援の具体例 | 窓口・検索方法 |
| 地域の健康教室 | 高齢者向けの無料の体操プログラムやフレイル予防教室 |
| 栄養士による個別相談 | 食欲不振や低栄養に関する専門家のアドバイス |
| 見守り・交流サービス | 地域のボランティアや職員による訪問・電話による安否確認 |
迷ったらここに相談!
インターネットで「お住まいの市町村名 フレイル対策支援」と検索するか、お近くの「地域包括支援センター」にご相談ください。 電話相談でも、あなたの状況に合わせて、無料で受けられる支援サービスを詳しく教えてくれます。
まとめ:フレイルは「要介護」ではなく「再スタート」の合図


シニアの皆さん、フレイルの兆候は、あなたに生活習慣を見直す「再スタートのチャンス」を与えてくれました。
以下の5つの鉄則を今日から具体的に実行に移し、活動的な生活を確実に取り戻しましょう。
🌟 今日から実行する5つの鉄則 🌟
- 早期チェック:指輪っかテストで自分の状態を知る。
- 高タンパク栄養:毎食おかず(肉・魚・卵・豆)を手のひらサイズで先に食べる。(塩分注意!)
- 安全な運動・口腔ケア:椅子を使ったスクワット、または座ってできる足踏みと「パタカラ体操」を毎日行う。(3ヶ月継続目標!)
- 社会参加:毎日誰かと会話をする。
- 公的支援の活用:今日、地域包括支援センターの連絡先を調べてみる。

この一歩が、あなたと、あなたを支えたいと願うご家族の未来を明るくします。一人で抱え込まず、地域や家族の助けを借りながら、今日から行動を開始しましょう!
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