フレイルの兆候を見逃さない!予防と改善策。
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シニアの皆さん。最近、体調の不良を感じていませんか。
最近、体力の低下や疲れやすさを感じるようになり、これが「フレイル」と呼ばれる状態かもしれないと心配しているの。
私も、お母さんが最近元気がないので心配しているの。年齢も高齢者と言われる人たちの仲間入りをしているしね。
シニアの皆さん、最近、筋力低下や体重減少、気分が優れず何事にも積極的になれない、強い孤独感を感じるなどで悩まれてはいませんか。又、シニアを支えておられるご家族の皆さん、高齢のご両親や祖父母の方が、最近、体調を崩すことが増え、特に活動力の低下を目の当たりにすることが多くなり、ご心配されている方はいませんか。これは、もしかして「フレイル」と呼ばれる状態になっていらっしゃるのかもしれません。
フレイルは、健常と要介護の間にある状態であり、放置すると要介護状態になる危険性が高まります。フレイルの高齢者は感染症などをきっかけに要介護となることが多いです。身体の抵抗力が弱まっているため、フレイルになったら早めの対応が重要です。
公益社団法人 東京都医師会より転載
この記事では、「フレイルの兆候を見逃さない!予防と改善策。」と題して、フレイルについて詳しく解説いたします。身体・精神・社会的な側面からフレイルを予防し、健康を維持する方法を紹介します。
具体的な内容として、
- チェックシートによるフレイルになっているかどうかの判断。
- フレイルの場合、その進行を抑える為に行うこと。
- フレイルにならない為の予防法。
を、お伝えします。
尚、内容については、政府機関、医療機関から提出されている情報に基づいて構成しています。
フレイルは早期発見で早く対処することで、健康で活動的な老後を送ることができます。また、家族との絆を深めることもできます。フレイル予防のための具体的な対策を実践することで、心配が解消され、生活が豊かになります。
シニアの皆さん、これを実践することでいつまでも溌剌として元気で過ごしましょう。
それでは、参りましょう。
あなたはの状態はフレイルでしょうか。以下のチェックでしらべてみましょう。
フレイルチェックは、下記「公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット」のサイトで行うことが出来ます。以下、同サイトからの引用です。
フレイルチェックの方法
フレイルの早期発見、早期介入のために、市民が主体となってフレイル予防に取り組んでいくために、東京大学高齢社会総合研究機構の飯島勝矢教授によって、「フレイルチェック」が考案されました。この市民による市民のための「フレイルチェック」は大きく分けて、簡易チェックと総合チェック(深掘りチェック)の2つで構成されています。
公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット
ここでは、簡易チェックの方法を同サイトより転載します。
「簡易チェック」は、指で輪っかをつくり、ふくらはぎを囲んでチェックする「指輪っかテスト」(図2)と、身体的、精神的、社会的の3つの面(栄養、歯科口腔、運動、社会性、うつ、等)を評価できる11の質問からなる「イレブンチェック」(図3)で構成されています。
「指輪っかテスト」(図2)
以下の表で、質問に対する答えとして、表のように「はい」、「いいえ」の該当する方に〇を付けます。
質 問 は い いいえ ほぼ同じ年齢の同性と比較して健康に気を付けた食事を心がけていますか。 〇 野菜料理と主菜(お肉またはお魚)を両方とも毎日2回以上は食べていますか。 〇 「さきいか」、「たくあん」くらいの固さの食品を普通に噛み切れますか。 〇 お茶や汁物でむせることがありますか。 〇 1回30分以上の汗をかく運動を週2日以上、1年以上実施していますか。 〇 日常生活において歩行または同等の身体活動を1日1時間以上実施していますか。 〇 ほぼ同じ年齢の同性と比較して歩く速度が速いと思いますか。 〇 昨年と比べて外出の回数が減っていますか。 〇 1日に1回以上は、誰かと一緒に食事をしますか。 〇 自分が活気に溢れていると思いますか。 〇 何よりまず、物忘れが気になりますか。 〇 「イレブンチェック」(図3)
以上の検査で、
- 指輪っかテストで「隙間ができる」→ サルコペニアの危険度高い
- イレブンチェックの質問で「いいえ」が6つ以上 → フレイルのリスクが高い
となり、フレイルの可能性が高い人と言う判断が出来ます。
ちなみに、サルコペニアは年をとることによる筋肉量と筋力の低下により引き起こされる体の能力が低下することをいいます。これがフレイルの主要な要因の一つと考えられています。
フレイルであるなら、その進行を抑える為に次のことを行いましょう。
個人として意識すること。
- 初期症状を見逃さず、早期発見と早期改善を第一とする
- 適切な運動プログラムに沿って体を動かす
- バランスの取れた食事やサプリメントの活用で、必要な栄養素を補い、健康を維持
- 地域活動やボランティア活動などへ参加し、社会的孤立を防ぎ、精神的な健康を維持
東京都医師会のホームページにフレイルについての改善法が掲載されています。以下、転載します。
公益社団法人 東京都医師会より転載
医師の治療は必須とは言えませんが、ご自分の総合的な機能評価を実施とし、包括的なケアを行うためには、専門医、栄養士、理学療法士、薬剤師、看護師、ヘルパーなど連携することが出来れば心強いです。
それは、フレイルの負のスパイラルを断ち切ることでもあります。
負のスパイラルとは以下です。
フレイル、負のスパイラルを断ち切りましょう。
「公益財団法人長寿科学振興財団 ご長寿ネット」によれば、フレイルは以下のような発症、進行をたどります。
加齢に伴う変化や慢性的な疾患によってサルコペニアとなり、筋肉量・筋力の減少によって基礎代謝量が低下すると、1日のエネルギー消費量が減って、食欲が低下し、食事の摂取量が減少して低栄養となります。
また、サルコペニアは、筋力の低下、易疲労性や活力の低下を引き起こし、身体機能の低下につながります。認知機能の低下など精神的な面の低下も加わると、活動量が低下し、社会的な側面も障害され、日常生活に支障をきたすようになります。
日常生活に介護が必要な状態となるとますますエネルギー消費量は低下し、食事量が低下して低栄養となる悪循環を繰り返しながら、フレイルは進行していきます(図2)。
公益財団法人長寿科学振興財団 ご長寿ネット
これは、つまり簡単に言うと…
- 第1段階年をとることや、慢性病によって筋肉量・筋力の減少する。
- 第2段階基礎代謝(体が生きるために使うエネルギー)が低下する。
- 第3段階食欲がなく、食べなくなる。
- 第4段階低栄養で筋肉量・筋力が減少する。
ここから、再び、第1段階にもどりこれを繰り返す。
このような、負のスパイラルがおこり、増々からだが弱くなっていくということですね。この負のスパラルを断ち切らなければいけません。
「筋肉量・筋力の減少」については、以下の記事も参考にしてください。
フレイル治療に地域の支援を活用しましょう。
あなたがお住みの自治体でフレイル対策を組織的におこなっている場合があります。これを利用すれば包括的なケアを受けられる場合があります。この環境があれば、個人で努力を継続するよりも楽にフレイル改善が出来る可能性があります。
多くの自治体では、高齢者向けの健康プログラムや運動教室、栄養相談などを実施しています。市町村のウェブサイトや地域の福祉センターで情報を確認し、積極的に参加してみましょう。例えば次のような支援が提供されています。
- 健康教室: 定期的に開催される健康教室では、専門家による健康管理や運動指導が受けられます。
- 運動プログラム: ウォーキングクラブや体操教室など、体力維持のための運動プログラムが充実しています。
- 栄養相談: 栄養士による個別相談や栄養講座があり、バランスの取れた食事のアドバイスが受けられます。
- 地域交流イベント: 地域のコミュニティセンターで開催される交流イベントに参加することで、社会的なつながりを維持できます。
日本の代表的な都市のフレイルの情報サイトは以下です。これ以外でもお住まいの市町村のホームページを検索してみてください。その時は、インターネットで「お住まいの市町村名 フレイル対策支援」など検索してみましょう。
都道府県 | 施設名 | 住所 | 電話番号 |
---|---|---|---|
東京都 | 東京都健康長寿医療センター | 〒173-0015 東京都板橋区栄町35番2号 | 03-3964-3241 |
大阪府 | 大阪府 | 〒540-8570 大阪市中央区大手前2丁目 | 06-6941-0351 |
福岡県 | 福祉局 生活福祉部 地域包括ケア推進課 | 福岡市中央区天神1丁目8番1号 | 092-711-4373 |
北海道 | 保健福祉部福祉局高齢者保健福祉課地域支援係 | 〒060-8588札幌市中央区北3条西6丁目 | 011-204-5275 |
これらの支援を活用することで、フレイルの予防や改善に役立てることができます。市町村の支援サービスを積極的に利用し、健康で活動的な生活を送りましょう。
フレイルでないなら、今後、フレイルならないために予防法を実践しましょう。
予防法は、上記の「改善法」と内容的には同じです。継続できるように、それぞれ自治体の支援を利用するなど、工夫してみてください。
終わりに
フレイルについて、世の中で、以下のような誤解があります。
- フレイルは避けられないものだと考える:
- フレイルは年齢によって避けられないものと考えられがちですが、実際には予防や管理が可能です。
- 運動、栄養、認知トレーニングなどのアプローチを通じて、フレイルの進行を遅らせることができます。
- フレイルは単なる老化の一部だと思う:
- フレイルは単なる老化の一部ではありません。それは生理的な予備能力の喪失とストレスに対する心と体の異常です。
- 正確な評価と適切な介入により、フレイルの影響を軽減できます。
- フレイルは特定の人々にしか影響しないと思う:
- フレイルは高齢者だけでなく、若い世代にも影響を及ぼす問題です。
- 社会的側面や生活環境によってもフレイルのリスクが変わります。
シニアの皆さん、フレイルは要介護の前段階です。ここで、負のスパイラルを断ち切ることで、健康な老後を手に入れましょう。また、シニアを支援される家族の皆さん、フレイルは早期発見、早期介入をすることで、その進行を止めることが可能と言われています。ご両親、曾祖父が幸せで元気な老後を過ごされるためにも、その兆候を見逃さないようにしましょう。