糖化とは何でしょうか。何故「老化」の原因と言われるのでしょう?
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何十年かぶりの同窓会。なんであいつはあんなに若いの?彼を若くしている要因とは。
同窓会に行ってきた。何十年ぶりかで旧友にあったけど、その中で全然昔と変わっていない奴らが数人いた。なんであいつらはあんなに若いんだろう。不思議だな。
このような経験はあなたにもあるのではないでしょうか。それとも、あなたが若い方に属するならこれは素晴らしいことです。この同年齢なのに、見た目に差がついているのは、老化の速度が人それぞれ違うからかもしれません。
実は、この老化しやすい方の原因の一つにその方の細胞が糖化していることがあると考えられます。
糖化とは何でしょうか。それは、糖質の摂りすぎにより、増えたはぐれ不良糖分がタンパク質と結びついて、老化加速物質AGEs(エージス)にかわり、体内の組織を劣化させる現象を言います。
この記事では、私達を老化に追いやる原因のひとつ、不良のように周囲に害を及ぼす、老化加速物質AGEs(エージス)について詳しくお伝えし、その不良達からわが身を守り、若々しい体を維持する方法をお伝えします。
なお、老化の原因となる事象については今回とりあげる「糖化」と、もうひとつ「酸化」があります。これらについては以下の記事で総合的に取り上げています。
アンチエイジングに成功したあなたは、これだけの喜びを手に入れられる。
まず、老化加速物質AGEsの発生を抑えて、いつまでも若々しいと言うことは、どういうことなのか、少し整理してみましょう。
- 見た目が若々しくなる。ふさふさした黒髪、つるつるした皺やシミの無い皮膚、おなかの出ていないかっこいいスタイルなど、色々なものが手に入ります。
- 成人病として代表的な、糖尿病・動脈硬化・心臓疾患・脳血管障害などといった、死に至る疾病から無縁になれます。
- 骨密度の低下を防ぎ、元気な骨格を保てます。
- 筋肉の減少を防ぎ、サルコペニアやフレイルを防ぎます。
- いつまでも、若々しい頭脳を維持でき、認知症から身を守れます。
- 元気であることで、シニアの素晴らしい第二の人生を享受できます。
こんなに素晴らしいメリットがある糖化制御。実践しない手はないでしょう。
老化加速物質AGEsとは何なんでしょうか。
次の図をご覧ください。
これらの図は、過度な糖質の摂取によってインシュリンが糖質を制御できなくなり、溢れた糖質がタンパク質と結びつき「AGEs」を発生、AGEsが体全体に行き渡り、それぞれで細胞の劣化をまねく仕組みを表しています。適量の炭水化物(糖質)を摂取する時は、糖質は肝臓に一部保存され、のこりはインシュリンのちからで血液経由で細胞に行き渡り、エネルギーにかわります。図-1 A。多量の糖質を摂取した場合には、インシュリンの働きが間に合わず、多くのはぐれ糖質を生み出してしまうのです。図-2 B。
- 筋肉の減少
糖化が進んだ人は筋肉量が少なくなります。筋肉の減少は寝たきり状態になる、サルコペニアやフレイルの状態を呼びます。筋トレも大切ですが、まず自分の糖化を防ぐことで自分の筋肉を守りましょう。 - 肌の老化
肌にAGEsが蓄積されると、皺やたるみ、シミといった、俗にいう肌トラブルの原因になります。肌は、内側からコラーゲンやエラスチンなどのタンパク繊維によってハリや弾力をたもっています。このタンパク質をAGEsが劣化することでこのような肌の老化がおきます。肌を守るためにスキンケアの化粧品をつかうことも意味がありますが、原因を内部から改善することが本筋と言えます。 - 認知症の発症
脳にAGEsが蓄積されると、アルツハイマーの原因である、アミロイドベータが多く作られることがわかってます。 - 脳血管障害・心筋梗塞・脳梗塞
血管にAGEsが蓄積されると、動脈硬化の原因になり、脳血管障害・心筋梗塞・脳梗塞のリスクが高まります。 - 骨の劣化
骨にAGEsが蓄積されると、それをつくるコラーゲンが劣化により骨折などのリスクを高めます。 - 糖尿病
糖尿病は、食事の摂取で、血液のなかにあふれた糖質を分解するインシュリンの排出が少ないことによって高血糖になり細胞や組織を傷つける病気をいいます。糖尿病と糖化は親密な関係があります。
以上、沢山の病気をあげましたが、老化加速物質AGEsの発生を抑制しなければ、これだけのリスクを我々は受けなければならなくなります。
では、具体的に何をすればいいんでしょう。
以下の3つを実践すれば、老化加速物質AGEsの発生を制御できます。
- 血糖値の上昇を防ぐ
- 過度のAGEsを取り込まない食事をする
- 血糖値を上昇させやすい体質を改める
以上の図のように、この3つがからみあって、高血糖からAGEsの増加を呼んでいます。
ただし、糖質を程よく摂ることは、私達の健康に欠かせない行為です。過度の糖質制限を行うとかえって寿命を縮めてしまうので、注意しましょう。
さあ、私達の体を蝕む、不良AGEsの駆除を始めましょう。
こんな、不良達が体の中をうろついているのではかないません。早速、駆除に取りかかりましょう。
具体的、実践のステップ。カテゴリーごとに難易度順でお伝えします。
老化の原因の一つである老化加速物質AGEsを防ぐためには、日常生活の中でいくつかの工夫を取り入れることが重要です。ここでは、1. 血糖値の上昇を防ぐ、2. AGEsを取り込まない食事をする、そして3. 血糖値を上昇させやすい体質を改めるという3つのカテゴリーに分けて、難易度順にその具体的な方法をご紹介します。
カテゴリー1: 血糖値の上昇を防ぐ
- 食べる順番を変える(難易度: ★☆☆)
食事の際、野菜を先に、メインを次に、炭水化物を最後に食べることで、食物繊維が血糖値の急上昇を防ぎます。コース料理を頂く順番ですね。これは簡単に取り入れられる方法です。 - 食べる食材を変える(難易度: ★★☆)
緑黄色野菜や低GI食材を選ぶことで、血糖値の上昇を緩やかにし、糖化を防ぎやすくなります。ジャガイモやニンジンなど糖質の多い野菜は避けましょう。GIは、食後の血糖値の上昇率を数値化したものです。食べ物ごとのGI値については、以下を参考にして下さい。 - 食後、1時間以内に軽い運動をする(難易度: ★★☆)
食後に軽い運動をすることで、血糖値の上昇を抑え、インシュリンの働きを助けます。スクワットやかかとのあげさげなど、無理のないレベルで行いましょう。又、運動をしなくても、食後にすぐ食器を洗うなど体を動かすだけでも効果が期待できます。
血糖値を上げない食事法については、以下の記事も参考になります。
カテゴリー2: AGEsを取り込まない食事をする
料理によっては、AGEsを多く含むものとそうでないものがあります。賢い選択をしてなるべくAGEsを多く含む料理を避けるようにしましょう。
- 糖化をふせぐ栄養はサプリメントで補う(難易度: ★☆☆)
糖化を防ぐ効果のあるサプリメントを摂取することで、AGEsの生成を抑えることができます。手軽に取り入れられる方法です。サプリメントは以下をご覧ください。 - 加工食品はなるべく避ける(難易度: ★★☆)
例えば、肉はフランクフルトソーセージに加工することで、多量のAGEsを発生させます。このように、加工食品は一般的に多量のAGEsを含むものが多いです。 - 食材を焼く料理はなるべく避ける。又は調理法を賢く変更する(難易度: ★★★)
食材は焼くことによって多量のAGEsが発生します。過度に焼きすぎた料理を食べない、又は焼くから蒸す・煮る調理法に変更することで、AGEsの生成を抑える工夫をします。
焼く料理を食べない、加工食品を食べないといってもそれを厳格に守ろうとすると、かえってストレスを生み体によくありません。まあ、「ほどほどに」ということですね。
カテゴリー3: 血糖値を上昇させやすい体質を改める
体質改善も糖化防止には欠かせません。以下の方法を実践してみましょう。
- プチ断食を実行する(難易度: ★☆☆)
食事の間隔を12時間にするプチ断食は、体内の糖分を効率的に消費し、血糖値の安定化に寄与します。睡眠を挟むことで、意外と簡単に実行できます。やり方は以下の参考をご覧ください。 - ストレスを減らす(難易度: ★★☆)
ストレス管理は血糖値の安定に重要です。リラックスする時間を持ち、運動や呼吸法、瞑想などを取り入れましょう。 - 良い睡眠を取る(難易度: ★★★)
良質な睡眠はインシュリンの感受性を高め、血糖値のコントロールに役立ちます。規則正しい生活を心がけましょう。今は、不眠が国民病となっていて実行できにくい人も多いですが、きまった時間に早めに床につくことを習慣化することでも効果があります。
これらの方法を取り入れることで、糖化を防ぎ、健康的な生活を送ることができます。ぜひ、難易度の少ないものから順に日常生活に取り入れてみてください。やるとやらないとでは大きな差がついてしまいます。
終わりに
我々シニアは、第二の人生を謳歌するために、心、体の健康を維持することが大切です。これまでお伝えした方法を実践することで、しない場合と比べて必ず、老化する速度に差がつきます。お互いにがんばって実践し、若々しい心と体を手に入れましょう。
参考
糖化の制御に役立つ、栄養素、サプリメントのご紹介
抗糖化サプリメントには、糖化を防ぐためのさまざまな成分が含まれています。以下は、一般的におすすめされる抗糖化サプリメントの一部です。
- サントリー セサミンEX
- 成分: セサミン、ビタミンE
- 効果: 抗酸化作用があり、老化防止や疲労回復に役立ちます。
- Now Foods B-50ベジカプセル
- 成分: ビタミンB群
- 効果: 糖質の代謝を助け、糖化を予防します。
- ローマカミツレ(ローマンカモミール)
- 成分: カモミールエキス
- 効果: 抗炎症作用と抗酸化作用があり、糖化を防ぎます。
- セイヨウサンザシ
- 成分: サンザシエキス
- 効果: 抗酸化作用があり、血糖値の管理に役立ちます。
- クルクミン
- 成分: ウコンエキス
- 効果: 強力な抗酸化作用があり、糖化を防ぎます。
- ケルセチン
- 成分: フラボノイド
- 効果: 抗酸化作用があり、細胞の老化を防ぎます。
- アセロラポリフェノール
- 成分: アセロラエキス
- 効果: 抗酸化作用があり、肌の健康を保ちます。
- レスベラトロール
- 成分: ブドウエキス
- 効果: 抗酸化作用があり、老化防止に役立ちます。
これらのサプリメントは、市販やオンラインで購入可能です。自分の生活習慣や健康状態に合わせて選ぶと良いでしょう。
GI食品一覧表
- 高GI食(70以上)
- 穀物:
- 白米(88)フランスパン(95)食パン(95)
- 野菜:
- にんじん(80)
- 豆類: グリンピース (80)
- 乳製品: 練乳、アイスクリーム (80)
- 果物:
- パイナップル(65)
- 菓子類:
- ドーナツ(86)チョコレート(91)
- 穀物:
- 中GI食(56-69)
- 穀物:
- おかゆ(57)パスタ(65)
- 野菜:
- かぼちゃ(65)
- 果物:
- バナナ(55)ぶどう(50)
- 菓子類:
- クラッカー(70)クッキー(77)
- 穀物:
- 低GI食(55以下)
- 穀物:
- そば(54)全粒粉パン(50)オートミール(55)
- 野菜:
- ほうれん草(15)トマト(30)ブロッコリー(25)
- 豆類:
- レンズ豆(29)ひよこ豆(33)
- 乳製品:
- 牛乳(30)ヨーグルト(35)
- 果物:
- りんご(36)いちご(29)キウイ(35)
- 菓子類:
- ゼリー(46)プリン(52)
- 穀物:
プチ断食のやりかた
ここでは、食事の12時間以上空ける方法を紹介します。この方法を実践すると、内臓がしっかり休まり代謝異常が改善され、糖化防止効果を期待できます。
やり方は簡単。食事と食事の間に睡眠時間を入れる事で、楽にプチ断食を実行するものです。
- 午後7時夕飯を食べ終える
- 午後11時就寝
- 午前6時起床
- 午前7時朝食を食べる
このようにすれば、午後7時から翌朝の7時まで、プチ断食を実践したことになります。間に就寝を入れるのがミソですね。