年金生活の臨時収入。シルバー人材センターでの就労とは

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年金生活をおくる私達にとって、シルバー人材センターは気になる存在ですね。
シルバー人材センターは、シニアが豊富な経験と知識を活かし、地域社会に貢献する仕事が多数用意されているのが特徴の公的機関です。

この記事では、シルバー人材センターの仕事内容、得られる収入などについて、出来るだけ解りやすく紹介します。この記事を読むことで、以下の疑問を解決しましょう。
- シニアが、ここで働くことのメリットと注意点は何か。
- 仕事はどのようなものか。自分でもできるか。
- 仕事はきついか、自分でも続けられそうか。
- 収入はどれくらいになるか。又、現在もらっている年金への影響はあるか。税金の申告は必要か。
- 仕事中にケガをした場合などの補償はあるか。
- どのように、申し込めばいいのか。
但し、シルバー人材センターは、シニアに仕事を斡旋するとのスタンスは一緒でも内容が大きく異なる、以下の3つの事業を扱っています。
- 仕事の委託・請負(主にシルバー人材センター独自の契約)事業
- 人材派遣事業
- 就職紹介 (いわゆる職安と同じです)事業

この記事で扱う内容は、「仕事の委託・請負」に限定します。この、「仕事の委託・請負」紹介事業は、私達がシルバー人材センターをイメージするときに、まず、第一に想像する事業です。その他の2つは、紹介事業として内容が大きく異なるので、別の記事で紹介させていただきましょう。

それでは、参りましょう。
シルバー人材センターとは

人材センターで仕事を紹介してもらうのには会員登録が必要
シルバー人材センターは、高齢者の就業支援を目的とした公的機関です。60歳以上の健康で働く意欲のある方が対象で、自分の経験やスキルを活かした仕事に就くことができます。人材センターで仕事を紹介してもらうのには会員登録が必要です。
人材センターと会員の関係は、労働契約ではなく、仕事を委託し、請負うというものです
あなたと人材センターの関係は、労働契約ではなく、仕事を委託し、請負うというかたちです。つまり、あたは労働者ではないため、労働基準法、最低賃金法、労働契約法などは適用されません。又、労災の適用もありません。
請負・委任の契約で仕事をする場合、作業に必要な作業道具、材料費、交通費など経費を自己負担する場合があります(この負担額は所得税の確定申告の時、必要経費として控除できます)。ただし、発注者から経費が支払われる場合や、センターが一部を負担する場合もあります。事前にセンターや発注者に確認し、費用負担について明確にしておくことが重要です。
シルバー人材センターの仕事内容いろいろ

屋内外の一般作業
特徴:特別な資格や経験がなくても始められることが多く、体力に自信のある方に人気があります。勤務時間は比較的柔軟で、午前中だけ、週に2~3回など、無理のないスケジュールで働けます。
- 公園や道路の清掃
- 草刈りや除草作業
- 空き家や施設の簡易清掃
- 家庭内の整理整頓や掃除
- 荷物の搬入・搬出の手伝い
技能を必要とする作業
特徴:過去の経験や技術を活かせる、技能系の作業です。建築、大工、設備、配管など、ある程度の専門知識やスキルが必要な職種です。
- 家具の修理やリフォーム補助
- 家屋の簡単な補修
- 網戸・障子の張り替え
- 塗装作業
サービス分野の仕事
特徴:利用者との接点が多く、コミュニケーション能力が活かせます。人と関わることが好きな方に向いています。
- 高齢者や子育て家庭の生活支援(買い物代行、話し相手など)
- 保育園・幼稚園での補助業務
- 学校での登下校の見守りや通学路の安全確認
- イベントの案内・受付
管理業務
特徴:企業や団体からの依頼される、建物や施設の簡単な管理業務です。体力的な負担は少なめですが、責任感や丁寧さが求められます。清掃業務と組み合わせて任されるケースも多く、安定した仕事を希望する方にはおすすめの分野です。
- マンションやビルの共用部の巡回点検
- 駐車場・駐輪場の管理
- 公共施設の受付や案内
専門的な事務作業

特徴:事務職経験がある方に向けた仕事です。パソコンスキルや事務処理能力が求められるため、再就職先としても人気があります。比較的屋内で静かな環境で働くことが多く、長時間ではなく短時間勤務が一般的です。
- 伝票処理
- データ入力
- 書類整理
- 郵送業務
- 会計補助
シルバー人材センターの講習制度について
シルバー人材センターでは、会員が、新しい仕事の技術を習得し、就業機会を広げることが出来るよう、「講習制度」を設けています。詳しくは、こちらの記事を参考にして下さい。

シルバー人材センターの仕事の探し方と申し込み方法

入会の流れ
仕事を始めるためには、まず「会員登録(入会)」が必要です。各地域のシルバー人材センター窓口で申し込みができます。以下が一般的な入会の流れです。
① 事前の問い合わせ・資料請求
住所のあるシルバー人材センターに連絡し、入会に関する資料を取り寄せたり、説明会の日程を確認します。
② 入会説明会への参加
説明会では、センターの仕組みや会員としての心構え、報酬の仕組み、仕事の種類などについて詳しく説明されます。この説明を受けたうえで、入会するかどうかを決めます。
③ 入会申込書の提出と面談
入会希望の時は、申込書を記入し、簡単な面談を受けます。面談ではこれまでの職歴や希望する仕事の内容、働ける日数・時間帯などを聞かれます。特別なスキルがなくても、「元気で働きたい」という気持ちがあれば大丈夫です。
④ 会員証の発行・登録完了
登録が完了すると、会員証が発行され、晴れてシルバー人材センターの会員として活動をスタートできます。
※多くのセンターでは、年会費(数百円~数千円)が必要です。また、その他に親睦会費用(数百円から千円)、賠償責任保険、団体傷害保険の、各保険料が別途必要な場合があります。詳しくは各センターに確認しましょう。
仕事はどのように紹介されるか
入会後は、さまざまな方法で仕事が紹介されます。基本的には、センターに寄せられた仕事の依頼内容と、会員のスキルや希望条件を照らし合わせてマッチングが行われます。
紹介の流れは以下の通りです:
- センター職員が仕事の依頼を受付
- 条件に合う会員に連絡
- 会員の意思確認後、業務内容・日程の説明
- 双方の合意が取れれば仕事スタート
仕事は、基本的には、センター側で会員に、ローテーションの考えを軸に割り振りがされます。仕事は単発のものもあれば、定期的に継続するものもあります。多くの場合、会員は「請負」または「委任」契約という形で業務を行い、あくまで自主的な働き方が基本です。
仕事紹介の手段には:
- センター内の掲示板や専用端末
- 担当職員からの電話・メール連絡
- 定期的な仕事紹介の面談や連絡会
希望の仕事がなかなか見つからない場合も、積極的にセンターとの関わりを持つことで、自分に合った仕事が紹介されやすくなります。
収入と働き方の実態

報酬の仕組み
- 賃金ではなく「配分金」と呼ばれる形で支払われます。
- 一般的には月1回(翌月払い)。
- 労働保険(雇用保険・労災保険)は基本的に適用されません。
- 就業日数や時間に制限(例:週20時間未満、月10日以内など)があることが多いです。
- 時給ベースでは 900円〜1,200円程度が多いですが、地域や仕事の内容により異なります。
- 年収が一定金額(例:年48万円)を超えないよう、調整されるケースが多いです。
働く時間と頻度。仕事はきついか
シルバー人材センターの仕事は、「自由な働き方」が大きな魅力です。仕事の頻度や働く時間帯は、会員の希望や体調、ライフスタイルに合わせて柔軟に選ぶことができます。
- 週に1~3回、午前中のみの勤務
- 月に数回の単発の仕事(短期集中型)
- 季節限定の仕事(例:年末の清掃、夏の草刈りなど)
一日フルタイムで働くというケースは少なく、「無理のない範囲で、できるときに働く」というスタイルが基本です。そのため、体力的に自信がない方でも安心して取り組めます。
仕事を休むことも自由
シルバー人材センターの仕事は、都合が悪いときには断ることができます。家族の介護、旅行、通院など、予定に合わせて柔軟に調整できる点が大きなメリットです。
「きつい」と感じるかどうかは、仕事内容と自分の希望・体力とのマッチングがカギです。シルバー人材センターは基本的に「高齢者の就労支援」を目的としているので、極端に過酷な仕事は少ないです。無理せず、自分に合った仕事を選べることが最大の強みです。
- 働く頻度や内容によっては、仕事の依頼が減ることも
- 人気の仕事はすぐに埋まるため、タイミングが重要
ケガや事故への対応はどうか。年金との兼ね合い、申告は必要か

ケガや事故への対応
シルバー人材センターでの就業中に発生したケガや事故に対しては、以下の保険制度が設けられています。この保険費用は、基本的にセンターが負担します。
- 団体傷害保険
- 会員が就業中やセンター主催の行事への参加中、またはそれらの往復中に、急激かつ偶然な外来の事故によりケガをした場合に適用されます。
- 補償内容: 死亡保険金、後遺障害保険金、入院保険金、通院保険金などが支払われます。
- 注意点: 自宅での作業中の事故や、通常の経路を外れた往復中の事故、故意による事故、病気による事故、熱中症などは対象外となる場合があります。
- 賠償責任保険
- 就業中に会員が他人の身体や財物に損害を与えた場合に、センターが法律上の賠償責任を負うことによって被る損害を補償します。
- 補償内容: 対人賠償事故では1事故あたり最大1億円、対物賠償事故では1事故あたり最大1,000万円が支払われます。
- 注意点: 会員の故意や重大な過失による事故、保険約款に免責の規定がある事故、自動車事故などは対象外となる場合があります。
年金との兼ね合いと確定申告の必要性
シルバー人材センターでの就業による収入は、年金受給や税務申告に影響を及ぼす可能性があります。
年金受給への影響
- 65歳以上の方がシルバー人材センターで就業し、一定の収入を得た場合、年金の支給額に影響が出ることがあります。
- 在職老齢年金制度: 65歳以上で年金を受給しながら働く場合、給与と年金の合計額が一定の基準を超えると、年金の一部または全部が支給停止となることがあります。
- 注意点: シルバー人材センターでの収入もこの合計額に含まれるため、収入が基準を超える場合は年金の支給額に影響が出る可能性があります。
以下の記事を参考にしてください。

税務申告の必要性
- 就業による収入は、所得税や住民税の課税対象となる場合があります。
- 所得税: 年間の所得が一定額を超える場合、確定申告が必要です。
- 住民税: 所得に応じて課税されるため、収入がある場合は申告が必要となることがあります。
- 注意点: シルバー人材センターからの収入が少額であっても、他の所得と合算して申告が必要となる場合があります。
詳細な基準や申告方法については、最寄りの税務署や市区町村の税務課にお問い合わせください。
シルバー人材センターのメリットと注意点
メリット:健康・生きがい・社会貢献
シルバー人材センターの最大の魅力は、収入以上に「心と体の健康維持」や「社会とのつながり」を感じられる点にあります。以下は、実際の会員から多く聞かれるメリットです。
- 適度に体を動かす仕事が多いため、健康維持に役立つ
- 生きがいを感じられる
- 経験を活かせる
- 社会貢献ができる喜びがある
注意点:収入制限や仕事内容の制約
一方で、始める前に理解しておきたい注意点もあります。特に収入面や労働条件には、一般的な仕事とは異なるルールが存在します。
- 高収入は期待できない
収入は少額にとどまる場合が多く、年金と併用する人がほとんどです。 - 労働法上の「労働者」ではない
働き方は「請負」や「委任」のため、労働基準法上の「労働者」としての権利(最低賃金、労災保険など)が適用されないことがあります(※一部補償制度はあり)。 - 仕事の有無はローテーションで全員が働けるよう意識づけられています
季節によって依頼が大きく変動することもあり、必ずしも毎月一定の仕事があるとは限りません。 - 体力や健康状態に注意
仕事によっては体を使う作業が中心になるため、自分の健康状態をよく見極めて応募する必要があります。
実際の体験談

シルバー人材センターで働く人たちは、さまざまな背景や目的を持っています。ここでは、実際に登録して働いている方々のリアルな声を紹介します。これから始めようと考えている方にとって、非常に参考になるはずです。
元公務員・70代男性:地域に貢献しながら健康維持
「定年退職後、何か社会に役立つことがしたくてセンターに登録しました。今は週に2回、公園の清掃をしています。朝の空気の中で体を動かすのは気持ちいいし、地域の人に『いつもありがとう』と言われると本当にやりがいを感じます。年金とは別にちょっとしたお小遣いにもなり、生活にもメリハリが出ました。」
元主婦・60代女性:子育て支援の仕事で充実感
「子育てが一段落してから、自分の時間を何かに使いたいと思い、センターの『子育てサポート』の仕事に応募しました。保育園での補助やお迎えの付き添いをしていますが、小さな子どもたちとの触れ合いがとても楽しいです。職員さんも優しく、年齢に関係なく仲良くできるのが嬉しいですね。」
元職人・60代後半男性:技術を活かして再活躍中
「長年大工仕事をしていた経験を活かして、今は家具の修理や棚の取り付けなどの仕事を担当しています。『こんなにキレイに直るとは思わなかった!』と感謝されると、本当にやって良かったと思います。自分の技術がまだまだ必要とされていることが嬉しいですね。」
元会社員・65歳男性:事務仕事でゆったり働ける
「パソコン入力や伝票整理などの事務作業の仕事をしています。オフィスで静かな環境の中、週2回だけ短時間働けるので、生活リズムが整い、頭の体操にもなります。現役時代の経験を活かせるのが嬉しいし、無理なく続けられる点も気に入っています。」
夫婦で登録・60代夫婦:一緒に働いて仲も深まった
「夫婦で一緒に入会して、近所の神社の清掃やイベントのお手伝いをしています。家でも一緒なのに、仕事も一緒?と笑われることもありますが、共通の話題ができて毎日が楽しいです。夫婦仲も自然と良くなったような気がします。」
こうした体験談からもわかるように、シルバー人材センターでの仕事は「年齢に関係なく活躍できる場」であり、「自分らしく働ける柔軟な選択肢」でもあります。
よくある質問と回答

シルバー人材センターについて調べていると、制度の仕組みや実際の働き方について疑問を持つ方も多いはず。ここでは、よくある質問にQ&A形式でわかりやすくお答えしていきます。
Q1. 誰でも入会できますか?
A.
基本的には、「原則60歳以上で健康な方」であれば、誰でも入会可能です。過去の職業やスキルは問いません。センターによっては地域在住であることや面談、説明会参加が条件になっている場合がありますので、まずはお住まいのセンターに問い合わせましょう。
Q4. 一度断った仕事でも、また紹介してもらえますか?
A.
もちろんです。無理をせず、自分の体調や生活リズムに合わせて働くことが大前提です。断ったからといって今後の紹介が打ち切られることは基本的にありません。ただし、希望を伝えたり、定期的にセンターと連絡を取ることで、より自分に合った仕事が見つかりやすくなります。
Q5. 毎月安定して仕事をもらえるの?
A.
案件の有無は時期や地域、仕事の種類によって大きく変わります。常に安定して仕事があるとは限りません。特に人気の仕事や季節限定の仕事はすぐに埋まってしまうこともあるため、積極的な情報収集がカギになります。
Q6. パソコンが使えなくても事務の仕事はできますか?
A.
基本的な読み書きができれば問題ない事務作業も多くありますが、最近はデジタル化が進んでおり、簡単な入力作業などが求められることも。パソコンが苦手な方は、「初心者向けPC講座」などを開いているセンターもあるので、活用すると良いでしょう。
Q7. 働ける日数や時間は選べますか?
A.
はい。シルバー人材センターの大きな特徴は「自分のペースで働ける」こと。週に1日だけの勤務や、午前中だけ、月に数回だけといった働き方も可能です。無理のない範囲で、健康維持と社会参加を目的に続けられるのが魅力です。
Q8. 他のパートやボランティアと掛け持ちできますか?
A.
可能です。ただし、他の職場とのスケジュールが重ならないよう注意が必要です。また、他の就労形態と収入を合わせることで、課税対象になる場合もあるため、税金や社会保険の面でも確認が必要です。
まとめ

シルバー人材センターの仕事は、無理なく自分らしく働ける選択肢
高齢化が進む中で、「年齢に関係なく社会とつながりたい」「自分の経験を活かしてもう一度働きたい」という思いを持つシニア世代が増えています。そんな方々にとって、シルバー人材センターは非常に心強い存在です。
シルバー人材センターの魅力は、何といっても「無理なく、自分のペースで働ける」こと。そして、ただ働くだけでなく、「健康維持」「社会参加」「生きがいの創出」など、人生を豊かにするための要素が詰まっています。
また、特別なスキルがなくても始められ、登録後すぐに仕事を紹介してもらえることもあります。地域に根差した活動が多く、「自分の住むまちの役に立ちたい」という思いを実現できるのも大きなポイントです。
もちろん、報酬面や契約形態など、一般的な労働とは異なる部分もありますので、始める前に制度をよく理解しておくことが大切です。しかし、それ以上に得られる「つながり」「充実感」は、他ではなかなか得がたいものです。
あなたも一歩を踏み出してみませんか?
もしこの記事を読んで「やってみたい」と思ったら、まずはお住まいの市区町村のシルバー人材センターに問い合わせてみましょう。見学や説明会に参加するだけでも、きっと新しい発見があるはずです。
人生100年時代。第二の人生を、無理なく・楽しく・自分らしく。
シルバー人材センターの仕事は、その第一歩になるかもしれません。
