- 60代から骨の健康を守るために、まず何を確認し、日常生活で何をすればよいのかをお伝えします
- 60代から始める骨粗鬆症対策5ステップ
- なぜ60代から骨粗鬆症を意識したいの?
- まず、自分の骨の状態とリスクを知る
- 骨密度検査では何が分かる?
- 骨粗鬆症対策① 毎日の食事を見直す
- 骨粗鬆症対策② 日光を適度に浴びる
- 骨粗鬆症対策③ 運動で筋力とバランス能力を保つ
- 骨粗鬆症対策④ 転倒を防ぐ環境をつくる
- 骨粗鬆症と診断されたらどうする?
- 私の家内も、骨の健康について注意するよう言われています
- 骨粗鬆症対策で大切なのは「骨を守る+転ばない+骨折を防ぐ」
- よくある質問
- まとめ|60代からの骨粗鬆症対策は、まず自分の状態を知ることから
- 参考情報
60代から骨の健康を守るために、まず何を確認し、日常生活で何をすればよいのかをお伝えします

「骨粗鬆症の疑いがあると言われたけれど、何をすればいいの?」「骨密度が低いと言われたけれど、このままで大丈夫なの?」
60代になると、これまであまり気にしていなかった「骨の健康」が気になり始める方も多いのではないでしょうか。
骨粗鬆症は、骨の強さが低下して骨折しやすくなる病気です。特に高齢になると、転倒などをきっかけに骨折し、その後の生活に大きな影響が出ることがあります。
そこでこの記事では、骨粗鬆症の詳しい治療法を解説するのではなく、60代から骨の健康を守るために、まず何を確認し、日常生活で何をすればよいのかを分かりやすくまとめます。

60代からの骨粗鬆症対策は、単に「骨を強くする」だけではありません。骨を守る・転ばない・骨折を防ぐ。この3つを意識して、できることから始めてみましょう。
60代から始める骨粗鬆症対策5ステップ

「結局、私は何から始めればいいの?」という方は、まず次の5つを意識してみてください。
- 自分に骨粗鬆症のリスクがないか確認する
- 骨密度検査などで現在の骨の状態を知る
- 毎日の食事を見直す
- 筋力やバランス能力を保つ
- 家の中などの転倒しやすい場所を見直す
すべてを一度に始める必要はありません。まずは自分の骨の状態を知り、できるところから生活を見直していきましょう。
なぜ60代から骨粗鬆症を意識したいの?

骨は、ずっと同じ状態で固まっているわけではありません。
私たちの骨では、古くなった骨を壊す「骨吸収」と、新しい骨を作る「骨形成」が繰り返されています。これを担っているのが、それぞれ破骨細胞と骨芽細胞です。健康な状態では、この骨吸収と骨形成のバランスが保たれています。

ところが、加齢などによってこのバランスが崩れると、骨量が減少し、骨がもろくなっていきます。
厚生労働省の「e-ヘルスネット」でも、骨粗鬆症は骨強度が低下して骨折しやすくなる状態とされ、女性では閉経に伴って骨量が減少しやすいことが説明されています。
なぜ女性は骨粗鬆症を意識したほうがいいの?

女性では、閉経に伴って女性ホルモンのエストロゲンが減少することが、骨量の減少に関係します。
私が持っている、日本体育大学教授の岡田隆さんの著書『70歳からの人生を豊かにする 筋トレ』でも、年齢とともに変化する骨量と閉経との関係が図で紹介され、筋力トレーニングによって筋肉を維持することや、転倒しにくい体をつくることの大切さが説明されています。
この本は、骨粗鬆症の診断や治療について判断するためのものではありませんが、60代以降の運動について考えるきっかけになる一冊だと私は感じています。
※本の紹介はあくまで参考情報です。骨粗鬆症の予防や治療については、医療機関や公的・専門機関の情報を優先してください。
まず、自分の骨の状態とリスクを知る

骨粗鬆症対策で大切なのは、「自分は大丈夫」と自己判断することではありません。まず、自分に骨粗鬆症のリスクがないか確認し、必要に応じて医療機関に相談することから始めましょう。
こんなことが気になるなら医師に相談を
次のようなことがあれば、骨の状態について一度医師に相談してみるきっかけになります。
- 骨密度が低いと言われたことがある
- 過去に骨折したことがある
- 両親など家族に骨折歴がある
- 閉経後の女性である
- 最近、身長が縮んできたと感じる
- 骨粗鬆症のリスクについて指摘されたことがある
- 骨に影響する可能性のある病気や薬について気になることがある
ただし、これらに当てはまるからといって、骨粗鬆症だと自己判断することはできません。あくまで「一度、自分の骨の状態を確認してみよう」と考えるための目安です。
特に、身長の変化は年齢によるものだけとは限らず、背骨の骨折などが隠れている場合もあります。気になる変化があれば、自己判断せず医療機関に相談しましょう。
また、骨密度が低いと言われた場合も、「まだ大丈夫」と自分で判断せず、今後の検査や生活上の注意点について医師に確認しておくことが大切です。
家族歴や持病も医師に伝えましょう
骨粗鬆症のリスクを考えるときには、骨密度だけを見るのではなく、これまでの骨折歴や家族歴、病気や服薬状況なども含めて考える必要があります。特に、糖尿病などの持病や、長期間使用している薬について気になる場合は、診察時に医師へ伝えましょう。
骨密度検査では何が分かる?

「骨密度を測ったことがない」という方は、一度医療機関や自治体の骨粗鬆症検診について確認してみるのもよいでしょう。骨密度の測定方法にはいくつかありますが、代表的なものがDXA(デキサ)法です。
DXA法は、2種類の異なるエネルギーのX線を利用して、腰椎や大腿骨などの骨密度を測定する方法です。骨粗鬆症の診断や治療効果の判定にも広く用いられています。
検査方法や測定する部位は医療機関によって異なりますので、詳しくは受診先で確認してください。「骨密度が気になる」というだけでも、医療機関に相談するきっかけになります。
骨粗鬆症対策① 毎日の食事を見直す

骨の健康を守るためには、毎日の食事も大切です。特に意識したいのが、カルシウム、たんぱく質、ビタミンD、ビタミンKなどの栄養素です。
カルシウムを含む食品
カルシウムは骨や歯を構成する重要なミネラルです。
例えば、次のようなものがあります。
- 牛乳・乳製品
- 小魚
- 大豆製品
- 小松菜などの野菜
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、骨粗鬆症とエネルギー・栄養素との関連についても扱われています。
たんぱく質も忘れない

肉、魚、卵、大豆製品などに含まれるたんぱく質も、毎日の食事で意識したい栄養素です。「骨のためだからカルシウムだけを摂ればいい」と考えるのではなく、主食・主菜・副菜を組み合わせ、偏りのない食事を心がけましょう。
ビタミンDを含む食品
ビタミンDはカルシウムの吸収などに関係する栄養素です。魚類やきのこ類などの食品から摂ることができます。
ビタミンKを含む食品
ビタミンKも骨の健康に関係する栄養素です。納豆や緑黄色野菜など、普段の食事から取り入れることができます。
毎日の食事にどう取り入れる?

難しく考えすぎる必要はありません。
例えば、次のように、いろいろな食品を組み合わせることを意識してみましょう。
- 朝:牛乳やヨーグルト+卵
- 昼:魚や肉+野菜
- 夜:豆腐や納豆+魚・肉などの主菜
ただし、必要な栄養量は年齢や性別、健康状態などによって異なります。特定の栄養素を大量に摂ればよいというものではありません。食事について不安がある方は、医師や管理栄養士などに相談してください。
サプリメントはどうする?

食事だけでは十分に摂れているか心配になることもあります。
ただ、骨粗鬆症対策として、自己判断でサプリメントを大量に摂ることをおすすめしているわけではありません。まずは普段の食事を見直し、不足が気になる場合は医師や薬剤師、管理栄養士などに相談することをおすすめします。
この記事では、特定のサプリメントを「骨粗鬆症に効果がある」といった形で勧めることはしません。
骨粗鬆症対策② 日光を適度に浴びる

ビタミンDは、食品から摂るだけでなく、日光を浴びることによって皮膚でも作られます。そのため、外出する機会をつくることも大切です。
ただし、長時間日光に当たればよいという意味ではありません。季節や時間帯、体調などを考えながら、無理のない範囲で屋外に出ることを心がけましょう。
骨粗鬆症対策③ 運動で筋力とバランス能力を保つ

骨粗鬆症対策では、食事だけでなく運動も大切です。
厚生労働省の「e-ヘルスネット」では、骨粗鬆症の予防のために、カルシウムや日光浴に加えて、ウォーキングや筋力トレーニングなどの運動が紹介されています。
60代以降は、骨そのものだけでなく、転ばない体をつくることも意識したいところです。
ウォーキングは日常生活に取り入れやすい運動の一つです。ただし、骨の健康だけでなく転倒予防も考えるなら、筋力やバランス能力を保つことも大切です。
例えば、次のようなものがあります。
- ウォーキング
- スクワット
- かかとの上げ下げ
- バランスを意識した運動
ただし、運動の種類や強さは、その人の骨の状態や体力によって異なります。
特に骨粗鬆症と診断されている方、骨折歴がある方、背骨などの骨折リスクが高い方は、自己判断で運動を始めず、医師や専門家に相談してから行うようにしましょう。
無理をして続けられない運動をするより、今の自分に合った運動を安全に継続することが大切です。
ウォーキングの詳しい方法はこちら

ウォーキングを始めたいけれど、「どんな靴を選べばいい?」「どのように歩けばいい?」という方は、こちらの記事も参考にしてください。
🔷シニア初心者必見!健康ウォーキングの始め方👇
高齢者向け筋トレの注意点はこちら
筋トレを始めたい方は、無理なく続けるための注意点も確認しておきましょう。
🔷ケガなく続けられる!高齢者向け筋トレの注意点とコツ👇
骨粗鬆症対策④ 転倒を防ぐ環境をつくる

骨粗鬆症対策では、「骨を守る」だけでなく、「転ばない」ことも重要です。特に高齢になると、転倒をきっかけに骨折することがあります。
そこで、運動だけでなく、普段生活している場所も見直してみましょう。
今日からできる転倒予防
例えば、次のようなことから始められます。
- 床に物を置きっぱなしにしない
- 電気コードを歩く場所に這わせない
- 敷物やマットがずれていないか確認する
- 夜間に歩く場所の照明を確保する
- 階段や廊下の手すりを活用する
- 段差がある場所を確認する
- 急いで歩かない
大がかりなリフォームをする必要はありません。
まずは今日、自宅の中を一度見回して、「ここは転びそうだな」と感じる場所を一つ改善してみましょう。
骨粗鬆症と診断されたらどうする?

ここは特に大切なところです。
まだ骨粗鬆症と診断されていない方と、すでに医師から骨粗鬆症と診断されている方では、対応が異なります。
まだ診断されていない方
骨密度検査などで現在の状態を確認し、必要に応じて医師に今後の対応を相談しましょう。食事、運動、転倒予防など、自分でできる生活習慣の改善も大切です。
骨密度が低いと言われた方
「まだ骨粗鬆症ではないから大丈夫」と自己判断するのではなく、医師に今後の検査や生活上の注意点について確認しましょう。
骨粗鬆症と診断された方
医師から治療が必要と言われた場合は、自己判断で治療を中断せず、指示された治療を続けることが大切です。薬を飲んでいる場合も、飲み続けるかどうかを自分だけで判断せず、変更や中止を考えるときは医師に相談してください。
食事や運動、転倒予防は、治療を受けている方にとっても大切な生活習慣ですが、これらだけで治療の代わりになるとは限りません。自分の骨の状態に合った対応を、医師と相談しながら進めていきましょう。
私の家内も、骨の健康について注意するよう言われています

ここで、私自身の身近な経験を少しお話しします。
私の家内は以前、骨の状態について注意が必要と言われたことがありました。そのため、普段の食事などに気をつけながら、できるだけ骨の健康を保てるよう心がけています。
ところが、実際に転倒による骨折も経験しました。
年の暮れの朝方、自宅の前で転倒し、左腕を骨折してしまったのです。
ちょうど年末年始で病院が休みに入っていたため、年明けになってから病院を受診し、骨折していることが分かりました。幸い入院はしませんでしたが、完治するまでには半年以上かかりました。
この経験から、私自身も「骨の健康を保つこと」だけでなく、「転倒しないこと」の大切さを強く意識するようになりました。
骨粗鬆症の対策というと、カルシウムや運動など「骨を強くすること」に目が向きがちです。しかし、60代以降は、骨の健康を保つことに加えて、筋力やバランス能力を維持し、転倒しにくい環境をつくることも大切です。
もちろん、家内の経験がそのまま他の方に当てはまるわけではありません。
だからこそ、自分の骨の状態を知り、できることから少しずつ対策を始めることが大切なのだと思います。
骨粗鬆症対策で大切なのは「骨を守る+転ばない+骨折を防ぐ」

ここまで紹介してきた対策を整理すると、骨粗鬆症対策は単純に「骨を強くする」だけではありません。
- 骨を守る:食事や運動などを通して、骨の健康を維持する。
- 転ばない:筋力やバランス能力を保ち、自宅の環境も整える。
- 骨折を防ぐ:自分の骨の状態を知り、必要な場合は医療機関で適切な対応を受ける。
この3つを組み合わせて考えることが大切です。
骨粗鬆症で特に注意したいのが、転倒などをきっかけとした骨折です。
だからこそ、骨密度だけに目を向けるのではなく、「転ばない生活」をつくることも60代からの大切な対策になります。
よくある質問

Q1.60代になったら骨粗鬆症対策を始めたほうがいいですか?
A1.60代になったからといって、すべての人に同じ対策が必要というわけではありません。ただ、自分の骨の状態や骨粗鬆症のリスクを確認し、食事・運動・転倒予防などを見直すきっかけとして考えるのはよいでしょう。
Q2.骨密度が低いと言われたら、すぐ薬が必要ですか?
A1.薬が必要かどうかは、骨密度だけでなく、骨折歴やその他のリスクなどを含めて医師が判断します。自己判断で薬を始めたり、逆に「まだ薬はいらない」と決めたりせず、医師に今後の対応を確認しましょう。
Q3.ウォーキングだけでも骨粗鬆症対策になりますか?
A1.ウォーキングは日常生活に取り入れやすい運動の一つです。
ただし、骨の健康だけでなく転倒予防も考えるなら、筋力やバランス能力を保つことも大切です。
自分の体力や骨の状態に合った運動を、安全に続けることを心がけましょう。
Q4.骨粗鬆症と診断されたら運動してはいけませんか?
A1.骨粗鬆症と診断されたからといって、一律に運動してはいけないということではありません。
ただし、骨折歴や骨の状態によって注意が必要な運動もあります。
特に背骨などの骨折歴がある場合は、運動を始める前に医師や専門家へ相談しましょう。
Q5.サプリメントを飲めば骨粗鬆症を防げますか?
A1.サプリメントを飲めば骨粗鬆症を防げる、と一概に言うことはできません。
まずは普段の食事を見直し、不足が気になる場合は医師や薬剤師、管理栄養士などに相談しましょう。
まとめ|60代からの骨粗鬆症対策は、まず自分の状態を知ることから
60代からの骨粗鬆症対策で大切なのは、骨だけを見ることではありません。
- 骨を守ること。
- 転ばない体をつくること。
- 転倒しにくい環境をつくること。
そして、必要な場合には医療機関で自分の骨の状態を確認することです。
今回紹介したことを、もう一度まとめてみます。
- 自分に骨粗鬆症のリスクがないか確認する
- 必要に応じて骨密度検査などを受ける
- 食事のバランスを見直す
- 筋力やバランス能力を保つ
- 家の中の転倒しやすい場所を改善する
- 骨粗鬆症と診断された場合は、医師と相談しながら治療を続ける
全部を一度にやる必要はありません。
例えば今日、自宅の中を見回して、転びそうな場所を一つだけ改善してみる。それも立派な骨粗鬆症対策の一歩です。
「自分の骨は大丈夫かな?」と思ったら、まずは現在の状態を知ることから始めてみましょう。
今回ご紹介した内容は、60代からの健康づくりの一部にすぎません。
血圧・免疫・睡眠・フレイル・脳の健康など、毎日の生活で気をつけたいポイントを体系的にまとめた「60代からの健康完全ガイド」も用意しています。
「健康全体を見直したい」「何から始めればいいのか知りたい」という方は、こちらも参考にしてください。
🔷60代からの健康完全ガイド|血圧・免疫・睡眠・フレイル予防まで総まとめ👇
参考情報

この記事では、骨粗鬆症についての情報を確認するため、以下の公的機関・専門機関の資料を参考にしています。
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
骨の健康に関係するカルシウムなどの栄養素について、健康の維持・増進に必要な栄養摂取を考える際の基礎資料として参考にしています。 - 厚生労働省 e-ヘルスネット「骨粗鬆症の予防のための食生活」
骨粗鬆症の予防と食生活の関係について、カルシウムやビタミンDなど、骨の健康を考えるうえで必要な栄養について確認するために参考にしています。 - 厚生労働省 e-ヘルスネット「骨粗鬆症予防のための運動」
骨粗鬆症の予防に関係する運動について、ウォーキングや筋力トレーニングなど、骨に刺激を与える運動の考え方を確認するために参考にしています。 - 公益財団法人骨粗鬆症財団「骨粗鬆症の検査」
骨密度検査や骨粗鬆症の検査について、どのような検査が行われるのかを確認するために参考にしています。 - 公益財団法人骨粗鬆症財団が案内する『骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2025年版』
骨粗鬆症の予防・検査・治療に関する医学的な情報を確認するための専門的な資料として参考にしています。
※この記事は、骨粗鬆症の診断や治療を行うものではありません。骨密度が低いと言われた方、骨粗鬆症のリスクについて指摘された方、骨折歴がある方などは、自己判断せず医療機関に相談してください。




